連続インタビュー企画『#だから私は選挙に行かない』:前口上
選挙が近づくと、右からも左からも「選挙に行こう」の呼びかけが溢れる。
行った方がいいんだろうけど、行ったら自分にどんなメリットがあるのかよくわからず、「絶対正義」的な呼びかけに反論できずに選挙カーの騒音をやり過ごしてニュースを見ると世の中の半分くらいの人が投票に行ってなかったりする。
大人はだいたいウソつきだし、みんなそれなりに適当に生きてるんだな、なんてことを思ったりするきっかけに選挙がなったりもする。
「選挙に行くべき理由」は明推協も、ファッションモデルも、ちょっとオシャレな雑誌もみんな言ってるけど、51.2%(こないだの参院選の投票率は48.8%)に登る「選挙に行かない理由」がおおっぴらに語られることはほとんどない。
政治や選挙のことなんか考えずに幸せに暮らせた方が、与党野党で議論してる日々より毎日が楽しいかもしれない。幸せな生活のヒントが「選挙に行かない理由」に潜んでる可能性だって否定できない。
あるいは、本気で投票率をあげて、誰もが意思表示をする正当な民主主義社会を築きあげることを目指すにしても、「選挙に行かない理由」を聞かずに、無関心層をひっくり返すことはできないはずだ。
大風呂敷を広げたものの、本当のところは「選挙ライター」を名乗って著書まで出して政治の近くでうろうろしていると、51.2%の視点からどうしても遠くなってしまうので、個人的な好奇心からTwitterで以下のような呼びかけをした。
【募集】選挙に行かなかった人
— 宮原ジェフリーいちろう🍠 (@ichiro_jeffrey) August 17, 2019
日本の投票権をお持ちの方で、先日の参議院議員選挙を棄権した方、いらっしゃいましたらぜひお話を聞かせてください。対面でもメッセージのやりとりでも構いません。薄謝進呈します。(本当に薄謝ですが)
ありがたいことに、呼びかけたその日のうちに複数の方から協力の申し出をもらい、主にダイレクトメッセージを通じでインタビューをした。
素直に語っていただいた思いの丈は、きっと政治の向き合い方を考え直す一助になる力を持っているはずだ。
ということで、前提が長くなってしまったのでこの記事のコロン以下を「ケース1」から「前口上」に変更していったんここまで。
ケース1に続く。
文字ばかりだと寒々しいので阿佐ヶ谷の飲み屋で出会った箸置きの写真をつけておきます。