トランプ・バイデンだけじゃない!アメリカ大統領選挙"第3の候補者"紹介④
共和党のトランプ氏、民主党のバイデン氏以外にもたくさんいるけど、日本のメディアではなかなか紹介されないアメリカ大統領候補者について紹介してゆくシリーズの第4回。だんだんとアメリカのメディアでも紹介されない方々も増えてゆきます・・。
ホーウィー・ホーキンス(アメリカ緑の党)
グロリア・ラ・リヴァ(社会主義解放党)
ロッキー・デ・ラ・フエンテ(同盟党)
ドン・ブランケンシップ(立憲党)
ブロック・ピアース(無所属)
ブライアン・キャロル(アメリカ連帯党)
ビル・ハモンズ(Bill Hammons)46歳
アメリカ統一党(Unity Party of America)
ハモンズ氏キャンペーンサイトより
「右でも左でもなく、前へ!」をスローガンとするアメリカ統一党はビル・ハモンズ氏を中心に2004年に結党。ハモンズ氏を公認候補として2008年に下院議員選挙にコロラド2区に擁立。2014年と2016年にはコロラド州選挙区から上院議員選挙に、2018年にはコロラド州知事選挙にハモンズ氏が立候補しています。2020年の上院議員選挙にはコロラド選挙区から元デンバー市長選挙の候補者であるステファン・エヴァンズ氏を、下院議員選挙にはコロラド5区にレベッカ・ケルティ氏を擁立するほか、各種選挙に合計15人が公認候補として立候補します。思想的には中道で、連邦所得税の撤廃や社会保障改革を政策に掲げています。
今回の大統領候補であるハモンズ氏はIT企業家で、ニューズウィーク社の元マネージャーです。
フィル・コリンズ(Phil Collins)53歳
禁酒党(Prohibition Party)
コリンズ氏キャンペーンサイトより
禁酒党は1869年結党のアメリカ第3政党の中では最も古い政党です。1872年から38回連続で大統領候補を擁立しています。
党の綱領にはキリスト教右派的な政策が並んでいますが、禁酒法の制定は目標としておらず、ドラッグやタバコの禁止を掲げています。
今回の大統領候補であるフィル・コリンズ氏(同姓同名のミュージシャンとは別人)は元海軍の軍人で、過去には2012年にイリノイ2区から、2014年はイリノイ9区から下院議員選挙に、2017年にはハーパーカレッジ評議員選挙にいずれも無所属で立候補。2018年には共和党の指名を受けてクラーク郡財務長官選挙に出馬。2019年にはネバダ州のラスベガス市長選挙に無所属で立候補しています。今回の大統領選挙では、カリフォルニア州のアメリカ独立党の予備選では1位の得票を獲得したものの、最終的にアメリカ独立党はロッキー・デ・ラ・フエンテ氏を大統領候補に指名しました。(副大統領候補はカニエ・ウェスト氏)
ダリオ・ハンター(Dario Hunter)37歳
進歩党(Progressive Party)
ハンター氏キャンペーンサイトより
ユダヤ教の宗教指導者、ラビであるダリオ・ハンター氏は、弁護士でオープンリーゲイで、イラン系イスラム教との父と、アフリカ系アメリカ人の母を持ち、イスラム教徒として生まれた最初のラビという非常に複雑な経歴を持つ人物です。
2015年にオハイオ州ヤングスタウン市議会議員選挙の民主党第6選挙区予備選に立候補して落選。同年、同市の教育委員会選挙にWrite-in candidateながら当選を果たしましたが、2019年の改選時には1%足らずの差で再戦を逃してしまいました。また、2017年のヤングスタウン市裁判所書記官選挙にも挑戦しています。
今回の大統領選挙ではアメリカ緑の党の予備選にホーキンス氏に破れ指名を逃し、予備選挙について同党の非民主的なプロセスを批判して離党。オレゴン進歩党の指名を得て立候補することになりました。
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その他の候補者は全部で33人。全員をこちらで紹介していきます。
転載希望のメディア様や「その他の候補者」関係の案件がありましたらTwitter @ichiro_jeffreyまでお願いいたします。
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トランプ・バイデンだけじゃない!アメリカ大統領選挙"第3の候補者"紹介③
共和党のトランプ氏、民主党のバイデン氏以外にもたくさんいる、アメリカ大統領候補者について紹介してゆくシリーズの第3回。あの世界的ミュージシャンも登場します。
ホーウィー・ホーキンス(アメリカ緑の党)
グロリア・ラ・リヴァ(社会主義解放党)
ロッキー・デ・ラ・フエンテ(同盟党)
ドン・ブランケンシップ(立憲党)
ブロック・ピアース(無所属)
カニエ・ウエスト(Kanye West)43歳
無所属
今回立候補している「第3の候補」たちの中で、最も知名度が高いのがグラミー賞を21回受賞しているラッパーのカニエ・ウェスト氏でしょう。これまでに全世界でアルバムは2000万枚、シングルは1億4000万枚以上売り上げている世界的ミュージシャンであるウェスト氏は、これまでにも度々政治的な発言をしており、2012年の大統領選挙ではオバマ氏に1000ドル、2016年の大統領選挙にはクリントン氏に2700ドルを寄付しています。
一方でTwitterでトランプ氏への支持を表明したり、Black Lives Matters運動に否定的な立場をとるなどの言動が物議を醸し他ことがあります。
2020年7月にコロナウィルス対策が不十分であったとしてこれまでのトランプ氏支持を覆し、ウェスト氏自身が大統領選挙に出馬することを表明。「自分が当選したらみんなの誕生日だ」として誕生日党(Birthday Party)から立候補すると発表しました。
人工妊娠中絶や死刑に反対するなどキリスト教右派的な性質の強い政策をかかげており、トランプ氏の支持層を一部切り崩すのではないか、という見解もアメリカメディアは伝えています。ただし、税制や外交問題については詳しくないと本人が明かしています。
今回の選挙では、カリフォルニア州では先述のロッキー・デ・ラ・フエンテ氏の副大統領候補としてノミネートされています。
ブライアン・キャロル(Brian Carroll) 70歳
アメリカ連帯党(American Solidarity Party)
ブライアン・キャロル氏キャンペーンサイトより
アメリカ連帯党は2011年に結党したキリスト教民主主義政党で、2016年の大統領選挙にはマイク・マトゥレン氏を擁立。その後、2017年にはニュージャージー州議会議員選挙、2018年と2020年にウィスコンシン州ティーンズビル村議会議員選挙ほか複数の地方議会議員選挙に候補者を擁立しました。
キャロル氏はカリフォルニア州の中学校教師を長く勤めた人物で、アマチュアの博物学者として昆虫の研究家としても有名な人物です。2018年にはカリフォルニア22区から下院議員選挙に連帯党から立候補して1.3%の得票を獲得しました。今回の大統領選挙では、連帯党のオンライン党大会で指名を勝ち取りました。
人工妊娠中絶や安楽死、死刑に反対する立場で、GoogleやAmazonと言った企業の解体などを主張しています。
アリソン・ケネディ(Alyson Kennedy) 70歳
社会主義労働者党(Socialist Workers Party)
アメリカ共産党内でスターリンを批判して、トロツキーを支持するグループにより1938年に結党したのがアメリカの社会主義労働者党です。第2時世界大戦中はアメリカの参戦や原爆投下を批判し、多くの政治犯を出しました。1948年から今回まで19回のアメリカ大統領選挙に毎回候補者を擁立しており、多いときには全米で9万票を獲得しています。
今回候補者となったアリソン・ケネディ氏は政治活動家で、2008年の大統領選挙には社会主義労働者党が擁立したニカラグア出身のジャーナリスト、ロジャー・カレロ大統領候補の副大統領候補として立候補。(ただし、カレロ氏はアメリカの永住権は持っていたものの国籍は所持しておらず憲法上大統領にはなれないためいくつかの州ではカレロ氏に代わって政治活動家のジェームス・ハリス氏が立候補しています。)
ケネディ氏は2016年にはSWPの大統領候補に指名され、今回は2回連続の立候補となります。2019年にはテキサス州のダラス市長選挙にも立候補しています。
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トランプ・バイデンだけじゃない!アメリカ大統領選挙"第3の候補者"紹介②
共和党のトランプ氏、民主党のバイデン氏以外にもたくさんいる、アメリカ大統領候補者について紹介してゆくシリーズの第2回。「その他の」という呼び方を改めて「第3の候補者」とお呼びすることにします。
第1回はこちらから
ロッキー・デ・ラ・フエンテ(Rocky De La Fuente) 66歳
同盟党(Alliance Party)
ロッキー・デ・ラ・フエンテ氏のキャンペーンサイトより
自動車販売業や金融業で富を得た実業家のデ・ラ・フエンテ氏は、4年前は民主党の大統領候補に手を挙げたものの予備選挙で敗北し、個人で政治団体「アメリカンデルタ党」を立ち上げて(フロリダなど5州では「改革党(Reform Party)」の候補として)立候補。選挙後、デ・ラ・フエンテ氏は、前年から立候補者として登録されていた無所属候補については立候補のために4万筆の署名が求められる一方で、新しい政党については2万5000筆足らずの署名で立候補できる、としたオクラホマ州の新法が不公平だとして訴訟を起こし、法律は改正されたものの訴えは棄却されました。2018年にはバージニア州とワシントン州で立候補要件緩和に関する訴訟に勝利しています。
大統領選前には上院議員選フロリダ州選挙区の民主党候補として予備選に立候補して5人中4位で落選しています。
翌2017年のニューヨーク市長選挙では、翻って共和党に公認を求めたものの、ニューヨーク市内に住所がなく届出が危ぶまれ、市内に賃貸住宅を借りようとしたもののヒスパニック系であることを理由に貸主に断られた、と主張して訴訟の用意をしていましたが、最終的に届出に必要な署名を集めきれず立候補を断念しました。
2018年には9つの州から上院議員選挙への立候補を模索し、共和党の予備選を戦いましたが、いずれも一次選挙で敗北しています。
今回の大統領選挙では共和党の公認候補になるべく予備選を戦いましたが、獲得票は0.59%、全体でも4位に落ち込み、現職のトランプ氏に遠く及びませんでした。途中、リバタリアン党からも出馬要請もあったようですが、今回は新党「同盟党」(Alliance Party)からの立候補となりました。
彼の息子であるリカルド・デ・ラ・フエンテ氏も今年行われる下院議員選挙にフロリダ24区から民主党の予備選に立候補しましたが、現職に及ばず指名を受けられませんでした。
ドン・ブランケンシップ(Don Blankenship)70歳
立憲党(Constitution Party)
1991年にアメリカ納税者党(U.S. Taxpayers' Party)として創設された立憲党は、1992年から毎回大統領選挙に候補者を擁立しています。その名の通り、納税者の権利を擁護することが主目的で、保守からリベラルまで幅広い層の構成員がいて、全米各地に所属の市議会議員がおり、政党としては全米第5位の会員数を有しています。
候補者のブランケンシップ氏は、アメリカで第6位の石炭会社、マッシー・エナジー社の元社長で、過去には炭鉱で29名が死亡した爆発事故の管理責任を問われて1年の実刑判決を受けたことがあります。
2018年には共和党の上院議員候補としてウェストバージニア州の予備選を戦うも敗北した際に、立憲党からの再挑戦を模索しましたが、断念しました。
ブランケンシップ氏は地球温暖化否定派として知られていましたが、近年は温暖化そのものは認めつつも、それは中国が主因であり、アメリカの気候変化は関係ない、といった主張に変わっています。
ブロック・ピアース(Brock Pierce)39歳
無所属
ブロック・ピアース氏のキャンペーンサイトより
元俳優で暗号通貨の企業、ビットコイン社の取締役を務めるピアース氏は無所属で立候補。
子役時代には「マイティ・ダックス」「リトル・ビッグ・リーグ」など複数の映画に出演していましたが、17歳で引退。90年代後半に動画配信サイトを運営する企業、デジタル・エンタテインメント・ネットワーク(DEN)を立ち上げて成功をおさめる物の、その後破産。
2014年には暗号通貨「テザー(tether)」を取り扱うTether社の共同設立者となり、テザーはその後一時はビットコインを上回る取引高を記録しました。
他にも複数の企業の経営に関わり、2018年にはプエルトリコの保養地、オールド・サン・ファンに移住しています。
今回の選挙では「アメリカ2.0」と銘打ち、電子通貨によるベーシックインカムや、マリファナの合法化などを訴えています。
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トランプ・バイデンだけじゃない!アメリカ大統領選挙その他の候補者紹介①
11月3日に投開票が行われるアメリカ大統領選挙が佳境を迎えています。
各種世論調査では民主党のバイデン前副大統領が現職で共和党のトランプ氏に先行していると報じられていますが、この選挙に立候補しているのは2人だけではありません。
あまり報じられることはありませんが、共和・民主以外の第3党(Third party)や無所属(independent)の候補者も数多くいます
- アメリカ大統領選挙の仕組み
- リバタリアン党(Libertarian Party)
- アメリカ緑の党(Green Party of the United States)
- 社会主義解放党(Party for Socialism and Liberation)
アメリカ大統領選挙の仕組み
アメリカの大統領候補は50ある州のそれぞれで立候補の届出をする必要があり、全ての州で届出をできていない候補者も少なくありません。
アメリカの選挙はすでに候補者の名前が記載されている投票用紙が用意され、有権者は投票したい選択肢にチェックをする、という方式をとっています。
投票用紙に選択肢として登録されるためには一定数以上の署名が必要となるのです。今回の選挙では、最多のカリフォルニア州で約20万筆、バーモント州では不要(本来は1000筆だったのがコロナ対策で不要に)と幅があります。
ただし、選択肢に入れなかった場合でも届け出れば記入欄に名前をかけば有効票として認める州(フロリダやカリフォルニアなど33州)や、届出をしなくても名前が書かれていれば有効票として認める州(ペンシルベニアやアイオワなど9州)があります。
こうした、投票用紙に予め名前が書いていない、有権者が名前を記入しなければならない候補者はWrite-in Candidateと呼ばれています。
このブログ連載ではこれから何回かに分けてトランプ、バイデン両氏以外の候補者について紹介していきます。
※カタカナ表記が定まっていない氏名については発音に基づいて音訳しました。
リバタリアン党(Libertarian Party)
ジョー・ヨルゲンセン(Jo Jorgensen) 63歳
トランプ氏、バイデン氏以外で唯一全50州に立候補届出を果たしているのが、リバタリアン党のヨルゲンセン氏です。ヨルゲンセン氏はサウスカロライナ州の大学で心理学を教える学者で、1992年にはサウスカロライナ4区から下院議員選挙に、1996年には作家のハリー・ブラウン氏が立候補した大統領選挙の副大統領候補としてリバタリアン党から立候補していずれも敗北しています。
ヨルゲンセン氏は社会保障を個人退職口座(IRA)に置き換えることや、麻薬法の廃止、海外紛争への非干渉、海外からの米軍撤退などをリバタリアニズムに基づく政策を主張しています。
リバタリアン党は2016年の大統領選挙では、大統領選挙人の獲得はなかったものの、総得票数では4,489,341票(3.28%)を獲得しています。
アメリカ緑の党(Green Party of the United States)
ホーウィー・ホーキンス(Howie Hawkins) 67歳
ホーキンス氏(左)のキャンペーンサイトより 右は副大統領候補のアンジェラ・ウォーカー氏
アメリカ緑の党はその前身となる政党の時代、1996年から毎回大統領候補を擁立しており、今回の候補者であるホーキンス氏は1960年代から反戦、反核、労働者問題などの分野で活動する社会運動家で、2006年の上院議員選挙ニューヨーク州選挙区、2010年、2014年、2018年にはニューヨーク州知事選挙、2017年にはニューヨーク州内のシラキュース市長選挙に立候補しており、いずれも敗北。
政策としては炭素税を導入して2030年までに100%クリーンエネルギーに転換するグリーンニューディールや、医療機関を公有化して高額所得者の負担を上げる新しい医療制度を提案しています。
社会主義解放党(Party for Socialism and Liberation)
グロリア・ラ・リヴァ(Gloria La Riva) 66歳
ラ・リヴァ氏のキャンペーンサイトより
社会活動家のラ・リヴァ氏は1983年と1991年にサンフランシスコ市長選挙に立候補。
労働者世界党(Workers World Party)から1984年を皮切りに、1988年、1996年、2000年にも同党から副大統領候補として、1992年には大統領候補として出馬。このうち84年と88年については副大統領の当選者として認められる35歳にラ・リヴァ氏は達していませんでした。
1994年と1998年にはカリフォルニア州知事選挙に平和自由党から立候補。2010年には下院議員選挙にナンシー・ペロシ氏が議席を持つカリフォルニア8区から立候補。
大統領候補としては1992年のほか、2008年、2016年に現在の政党、PSLから立候補しています。
ラ・リヴァ氏は副大統領候補にアメリカ先住民の人権活動家で終身状態で収監中の政治犯であるレナード・ペルティエ氏を副大統領候補としていものの、健康上の問題で途中から詩人で政治活動家のサニル・フリーマン氏に差し替えたのですが、イリノイ、ミネソタ、テキサスの3州では副大統領候補はペルティエ氏のままとなっています。
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お知らせ:新規Webメディア公開
暫定的に当ブログで始めていた「世界の選挙情報〜World Election Now!」のウェブサイトの設定が完了して公開しました。
いきなりアブハジアとツバル、という馴染みのないところからスタートしましたが、それぞれなかなか熱い選挙結果になっています。この後アップする選挙結果記事もお楽しみに!
2019年9月9日施行 ツバル国会議員選挙
基本情報
国名:ツバル
国旗
場所
人口:11,192人(2017年)
議会:1院制 定数15 任期4年
選挙情報
ツバルに政党はなく、すべての議員が無所属ですが、大きく体制派と反体制派に別れているようです。
選挙区はフナフティ島(定数2)、ナヌメア島(定数2)、ナヌマンガ島(定数2)、ニウタオ島・ニウラキタ島(定数2)、ヌイ環礁(定数2)、ヌクフェタウ環礁(定数2)、ヴァイツプ島(定数2)、ヌクラエラエ環礁(定数1)の8つに分かれていて、現職は体制派が12、反体制派が3という構成になっています。
現首相のエネレ・ソポアガ氏はヌクフェタウ環礁から選出されています。
以前は政権が安定せず、2000年から2010年の間に8人の首相が誕生しましたが、2013年にソポアガ氏が就任して以降、安定政権が実現しています。
ソポアガ首相
国家の経済はツバル信託基金の運用益と、トップレベルドメイン「.tv」の使用権収入に依存していて厳しい状況にあります。
政府の公式サイトもなく、情報収拾が非常に難しい選挙です。
詳細がお分かりなかたがいらっしゃいましたら是非ご教示ください。
info@world-senkyo.com
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/tuvalu/data.html
http://archive.ipu.org/parline-e/reports/2327_E.htm
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/10_databook/pdfs/07-05.pdf
2019年9月8日実施 アブハジア共和国大統領選挙(決選投票)
今週ある世界の選挙を解説し、投開票後に結果をお伝えする「世界の選挙情報〜World Election Now!」というサイトを立ち上げます。独自ドメインも既に取得して、どうにか早くお披露目したいと思っているんですが、これがどうにもうまくいきません。
もう少し調整に時間がかかりそうなのですが、選挙は待ってくれない。
コンテンツはできあがってしまった。
ということで、とりあえずパイロット版ということでこちらのブログで最初の2つをお披露目したいと思います。
最初は明日投開票が行われるアブハジア大統領選挙について。
基本情報
国名:アブハジア共和国
出典:Wikipedia
場所
人口:24万3206人(2015年推計)
大統領の任期:5年
大統領選挙は35歳から65歳に立候補者が限定されている。
選挙情報
ジョージアを含め国際社会の多くは独立を認めていませんが、ロシアを含めいくつかの国家が承認しています。
今回の選挙について、ジョージアのサロメ・ズラビシュヴィリ大統領はツイッターで「茶番 (sham) であり主権侵害だ」とコメントしています。
The de facto authorities in #Abkhazia are holding today illegitimate “presidential elections”. Georgia condemns this sham process as yet another violation of our national sovereignty.
— Salome Zourabichvili (@Zourabichvili_S) August 25, 2019
この大統領選挙、最初の投票は7月21日に予定されていましたが、現職に対する有力な対抗馬であった反政府勢力のリーダー、アスラン・ブジャニヤ(Aslan Bzhania)氏がロシアで毒を盛られて、入院することとなったため、ブジャニヤ氏の支持者の要求に応えて8月25日に最初の投票を延期しました。
ロシアで毒を盛られたブジャニヤ氏
出典:JAM NEWS
ロシア政府は元KGBのスパイで現職のラウリ・ハジムバ(Raul Khajimba)氏を支持する立場にあるため、この一連の動きは国際社会から疑惑の目を向けられています。が、現在のところロシア政府はこの選挙についてはいずれの候補も対ロ関係を重視しているため、静観しているようです。
現職のラウリ大統領
選挙は2回投票制が取られ、最初の投票で50%以上の得票者がいない場合、上位2名で決選投票が行われます。
8月に行われた最初の投票では、現職で2期目を目指すラウリ氏がトップの20,544票(得票率23.85%)、二番手は野党第一党Amtsakhara(退役軍人党)の代表で首都スフミ市の元助役の、Alkhas Kvitsinia氏で18,992票(21.97%)。決選投票はこの2人で争われます。
対抗馬のAlkhas氏
出典:JAM NEWS
アブハジアでは出口調査は行われておらず、情勢については開票まで見通せないようです。
参考リンク
https://en.wikipedia.org/wiki/2019_Abkhazian_presidential_election
https://jam-news.net/the-poisoning-of-the-abkhaz-opposition-leader-did-or-didnt-it-happen/
https://dfwatch.net/breakaway-abkhazia-voting-for-new-de-facto-president-sunday-53761
「世界の選挙情報」では、この選挙の開票後のレポートも掲載予定です。