トランプ・バイデンだけじゃない!アメリカ大統領選挙その他の候補者紹介①

11月3日に投開票が行われるアメリカ大統領選挙が佳境を迎えています。

各種世論調査では民主党のバイデン前副大統領が現職で共和党のトランプ氏に先行していると報じられていますが、この選挙に立候補しているのは2人だけではありません。

 

あまり報じられることはありませんが、共和・民主以外の第3党(Third party)や無所属(independent)の候補者も数多くいます

 

アメリカ大統領選挙の仕組み

アメリカの大統領候補は50ある州のそれぞれで立候補の届出をする必要があり、全ての州で届出をできていない候補者も少なくありません。

 

アメリカの選挙はすでに候補者の名前が記載されている投票用紙が用意され、有権者は投票したい選択肢にチェックをする、という方式をとっています。

投票用紙に選択肢として登録されるためには一定数以上の署名が必要となるのです。今回の選挙では、最多のカリフォルニア州で約20万筆、バーモント州では不要(本来は1000筆だったのがコロナ対策で不要に)と幅があります。

 

ただし、選択肢に入れなかった場合でも届け出れば記入欄に名前をかけば有効票として認める州(フロリダやカリフォルニアなど33州)や、届出をしなくても名前が書かれていれば有効票として認める州(ペンシルベニアアイオワなど9州)があります。

 

こうした、投票用紙に予め名前が書いていない、有権者が名前を記入しなければならない候補者はWrite-in Candidateと呼ばれています。

 

このブログ連載ではこれから何回かに分けてトランプ、バイデン両氏以外の候補者について紹介していきます。

 

※カタカナ表記が定まっていない氏名については発音に基づいて音訳しました。

 

 

リバタリアン党(Libertarian Party)

ジョー・ヨルゲンセン(Jo Jorgensen) 63歳

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ヨルゲンセン氏のキャンペーンサイトより

 

トランプ氏、バイデン氏以外で唯一全50州に立候補届出を果たしているのが、リバタリアン党ヨルゲンセン氏です。ヨルゲンセン氏はサウスカロライナ州の大学で心理学を教える学者で、1992年にはサウスカロライナ4区から下院議員選挙に、1996年には作家のハリー・ブラウン氏が立候補した大統領選挙の副大統領候補としてリバタリアン党から立候補していずれも敗北しています。

 

ヨルゲンセン氏は社会保障を個人退職口座(IRA)に置き換えることや、麻薬法の廃止、海外紛争への非干渉、海外からの米軍撤退などをリバタリアニズムに基づく政策を主張しています。

 

リバタリアン党は2016年の大統領選挙では、大統領選挙人の獲得はなかったものの、総得票数では4,489,341票(3.28%)を獲得しています。

 

アメリカ緑の党(Green Party of the United States)

ホーウィー・ホーキンス(Howie Hawkins) 67歳

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ホーキンス氏(左)のキャンペーンサイトより 右は副大統領候補のアンジェラ・ウォーカー氏

 

アメリカ緑の党はその前身となる政党の時代、1996年から毎回大統領候補を擁立しており、今回の候補者であるホーキンス氏は1960年代から反戦反核、労働者問題などの分野で活動する社会運動家で、2006年の上院議員選挙ニューヨーク州選挙区、2010年、2014年、2018年にはニューヨーク州知事選挙、2017年にはニューヨーク州内のシラキュース市長選挙に立候補しており、いずれも敗北。

政策としては炭素税を導入して2030年までに100%クリーンエネルギーに転換するグリーンニューディールや、医療機関を公有化して高額所得者の負担を上げる新しい医療制度を提案しています。

 

社会主義解放党(Party for Socialism and Liberation)

グロリア・ラ・リヴァ(Gloria La Riva) 66歳

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ラ・リヴァ氏のキャンペーンサイトより

 

社会活動家のラ・リヴァ氏は1983年と1991年にサンフランシスコ市長選挙に立候補。

労働者世界党(Workers World Party)から1984年を皮切りに、1988年、1996年、2000年にも同党から副大統領候補として、1992年には大統領候補として出馬。このうち84年と88年については副大統領の当選者として認められる35歳にラ・リヴァ氏は達していませんでした。

1994年と1998年にはカリフォルニア州知事選挙に平和自由党から立候補。2010年には下院議員選挙にナンシー・ペロシ氏が議席を持つカリフォルニア8区から立候補。

大統領候補としては1992年のほか、2008年、2016年に現在の政党、PSLから立候補しています。

ラ・リヴァ氏は副大統領候補にアメリカ先住民の人権活動家で終身状態で収監中の政治犯であるレナード・ペルティエ氏を副大統領候補としていものの、健康上の問題で途中から詩人で政治活動家のサニル・フリーマン氏に差し替えたのですが、イリノイミネソタ、テキサスの3州では副大統領候補はペルティエ氏のままとなっています。

 

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その他の候補者は全部で33人。全員をこちらで紹介していきます。

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